仏壇・仏具の豆知識

お墓のお引越し(改葬)

遠くのお墓を供養しやすい環境に移動する

お墓のお引越し(改装)4つのパターン

お引越し(改葬)には主に4つのパターンがあります。最も多いのは、先祖代々の遺骨(骨壺)をすべて改葬する形式で全体の7割を占めます。改葬は法律で手続きが定められており、勝手に引っ越すことはできません。パターンによっては、費用や手続きも代わってくるので注意が必要になります。

 

A 墓石と遺骨(骨壺)を一緒に引っ越すパターン

「お墓の引っ越し」と聞いて一番イメージしやすい形式で、墓石と遺骨をすべて移動します。ただし、移転先の霊園によっては墓石の形や大きさを制限しているところもあり、すべてが希望どおりに移転できるとは限りません。移転する墓石を専門の道具を使って磨き上げ、綺麗にして再設置することもできます。既存の墓地は移転後に更地に戻します。全4パターンの中で費用は高めです。

 

B 先祖代々の遺骨(骨壺)を全て引越す  墓石は処分 

もっとも選択が多い形式で、納骨してあるお骨すべてを移動させます。骨壺そのままを運ぶことが多いですが、壺から出して布に入れるなどして移動させることもあります。既存の墓地は移転後更地に戻します。Aパターンに比べて輸送コストは下がりますが、移転先で新しくお墓を建てる場合、墓石を新たに購入する費用がかかります。

C 先祖代々の遺骨(骨壺)のうち、一部の遺骨(骨壺)のみ引越す

複数ある骨壺の一部を移転させる形式です。
元々のお墓はそのままの形で残り、新たに別のお墓が用意されます。例えば先祖代々のお墓に、親兄弟がそろって入っていたケースで、弟の息子が「自分の家族のお墓を新たに建てたい」と考えて、弟(息子にとっては父)の遺骨を改葬するようなケースが当てはまります。

 

D ある骨壺から遺骨の一部を分骨して引越すパターン

4つの中では特殊なケース。例えば「故人の故郷や思い出の場所にも眠らせたい」「自宅にも遺骨の一部をおいて、故人を身近に感じたい」などといったケースが考えられます。遺骨を分骨すること自体は、仏教各宗派でも問題がないと考えるところがほとんどです(宗祖自体が分骨されている宗派もあります)。ちなみに分骨は改葬とは異なる手続きをとる必要があるため、専門知識も必要となります。

 

 

一般的なお墓のお引越し(改葬)手続きと流れ

1. 新しい墓地を確保する

遺骨の改葬先を確保して改葬先の墓地管理者から「受入証明書」「永代使用許可書」などを発行してもらいます。改葬許可申請者と改葬先の墓地使用者が違う場合は、墓地使用者の「埋蔵承諾書」が必要です。

 

 2. 現在の墓地での手続きをおこなう

現在遺骨を埋葬してある墓地の管理者に「埋葬証明書」を発行してもらいます。その墓地に埋葬されている遺骨の氏名、墓地の使用者、墓地の管理者の署名・押印があるものが必要となります。改葬許可申請者と墓地使用者が違う場合は、墓地使用者の「改葬承諾書」が必要です。墓地の管理者が不明な場合は、市区町村が調査を行いますのでお問合せください。

 

 3.改葬許可の申請をおこなう

現在遺骨を埋葬してある墓地の市区町村に、改葬の申請を行います。
「改葬許可申請書」に必要事項を記入し、「受入証明書」(永代使用許可書)と「埋葬証明書」を一緒に提出すれば、「改葬許可証」を発行してもらえます。改葬許可申請書は1遺骨に1枚必要です。
改葬許可証発行には発行手数料がかかる場合があります。

 

 4.現在の墓地から遺骨を取り出す

現在の墓地から遺骨を取り出す際、ご住職などに依頼してお経を上げてもらい、石材店に依頼して遺骨を出してもらいます。また現在の墓地を今後使用しないのであれば、墓地を更地に戻すことが必要です。墓地の処理には費用がかかります。

 

 5.改葬に必要な書類を用意する

(1)改装許可申請書(現在遺骨のある墓地の市町村役場にあります)
(2)現在の遺骨の「埋葬証明書」
(3)遺骨の移転先の「受入証明書」または「使用許可書」
基本はこれらの3書式が必要となります。

 

  6.新しい墓地で改葬をおこなう

遺骨の移転先の墓地管理者に「改葬許可証」を提出して納骨を行います。納骨をする際には、ご住職などに依頼してお経を上げてもらい、石材店に納骨を依頼します。

 

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